4月25日に開場する新劇場「EX THEATER ARIAKE」のオープニングラインナップ発表会を開催
■見やすい!聴きやすい!居心地良し!観客に配慮した劇場空間
新劇場「EX THEATER ARIAKE」のオープニングラインナップ発表会を開催しました。
「EX THEATER ARIAKE」は最大1,546席の客席を有し、座席配置はなるべく視界を妨げないように配慮されています。前方の観客の間から舞台が見えるよう、センターブロックは列ごとに座席をずらして配置する千鳥配列を採用、左右のブロックの座席は舞台に向けて配置されています。座面の幅が広く、前後の間隔もゆったりと確保されており、座ったままでも人が通りやすい設計です。足元のスペースにも余裕を持たせることで、身体への負担が軽減され、長時間の観劇でも居心地良くお過ごしいただけます。また音響にもこだわり、有明の海・波をモチーフにデザインした三角形の板を組み合わせた壁面が、音を拡散、吸収し、台詞や歌詞を聞き取りやすい設計になっています。
舞台面の床は取り外しが可能で、盆やセリなどの舞台機構の設置が自在です。中通路より前の客席も取り外しが可能。張り出し舞台や花道など、多様な演劇空間を作ることができます。客席上空にはすのこが広がり、観客の上を舞う華麗なフライングや美術セットや機材の吊り込み、スピーディーな舞台転換などに対応できます。アイディア次第で、夢のような演劇作品が生まれることが期待されます。
さて、この新劇場で一体どんな作品が上演されるのでしょうか。登壇したのはオープラングラインナップのうち7作品に携わる、日本の演劇界を牽引する俳優と演出家たち、総勢14名。これほどのメンバーが一堂に会することは非常に稀なこと。会見中には作品をまたいでの微笑ましいトークが随所に見られました。
■こけら落とし公演『AmberS -アンバース-』
永遠の若さを手に入れられる伝説の琥珀の秘薬「アンバース」を巡る壮大な物語。演出の河原雅彦さんは、この劇場空間を見て「3階席まであるんですね。約1,500席の大きい劇場と聞いていましたが、実際に舞台に立ってみるとお客様との距離が近い。これは良い劇場の条件だと思います。あとは新品の香りがすごい(笑)。この大劇場のスケールに見合ったダイナミックな作品をお届けできたら」と、すっかり気に入った様子。主演を務める大橋和也さんは「寺西拓人くんとダブル主演で河原さんに演出していただくこと、こけら落とし公演、しかも事務所の直属の先輩の加藤シゲアキくんの脚本と緊張することばかり。加藤くんが考えつかなかったくらい、すごいものが生まれるように頑張ります」と熱く語りました。同じく主演を務める寺西拓人さんは現在進んでいる稽古の様子を、「怖いぐらい順調です。和気あいあいとした空気の中で、加藤くんのオリジナル作品を1から立ち上げていく感覚です。ディスカッションをしながら皆さんと作り上げている実感があります」。河原さんの演出作品に何度も参加してきた古田新太さんからは「寺くん(寺西)は心配ないけれど、大橋がちゃんとやれば大丈夫」と愛あるツッコミも。
■2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP
怪奇骨董音楽劇『アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~』
アングラ感漂う物語を生バンドで送る、新感線流ドタバタ音楽活劇ミステリー。演出のいのうえひでのりさんは、「福原(充則)くんの脚本なので、今までの新感線とは雰囲気が違う、ドタバタで気持ち悪い感じのお芝居をやっていきたい。“Rシリーズ”として、生バンドの演奏が入ります。新感線の音楽は大抵メタルロックでうるさめですが、今回は懐かしい感じのロックでやってみようかと」とバリバリ聴かせる気合十分。劇団☆新感線の看板役者・古田新太さんは、「いつもはヘヴィーメタルな劇団だけど、今回はアングラ的な色合いが強いですね。音響設備がすごく良い劇場なので、そこが楽しみ」と語りました。古田さんが演じる役は、町一番の大富豪で性別不明の怪人、強烈なルックスの持ち主です。「もうね、意味がわからない。しかも福原が書いた本が長い!」と古田さんらしいボヤキも。劇団☆新感線をまだ観たことがない川島如恵留さん(Travis Japan)が、初めて新感線を観る人はどんな心持ちで劇場に来たらいいのかを質問。いのうえさんからは「クセが強いから、合わないと思ったら心を閉ざせばいい(笑)。乗れればすごく楽しいと思います。新感線を知りたいなら、ゲキ×シネ(「演劇×映像」のエンターテインメント)を見て雰囲気を掴んでもらえたら」とアドバイスも。
■ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』
トニー賞を受賞した大ヒットブロードウェイミュージカルがついに日本初演。翻訳・演出の小山ゆうなさんは、「日常を描いたささやかな作品なので大劇場でどうなるかな?と思っていましたが、舞台上から見ると客席最後列が遠く感じない。お客様のことをよく考えてくださっている劇場だと思います。また音響へのこだわりが色々あるという点も嬉しい」と楽しみな様子。既に一度本読みが行われたそうで、「私が翻訳をしていることもあり、皆さんの声を通して台詞を聞いてみたくて、集まれる方はぜひとお声がけしました。するとキャストほぼ全員が集まり、皆さんそれぞれに熱い思いののった状態で読んでくださいました。主人公エヴァン役には1幕を吉沢亮さん、2幕は柿澤勇人さん。冒頭エヴァンの台詞から始まるのですが、吉沢さんはとても繊細だけれども実のあるアプローチで第一声から驚きました。一方、柿澤さんは力強く相手役を動かす説得力のあるエヴァン。お二人とも全く違うエヴァンになりそうです」と力を込めました。福田雄一さんはSNSで「これは絶対観なければ!」と投稿したほどの『ディア・エヴァン・ハンセン』ファン。「ブロードウェイ開幕1週間後くらいに、家族で観に行きました。大好きなミュージカルだったので、日本ではいつ誰がやるんだろう?と思っていたら、最高のキャストでの上演が決まって。亮くんもカッキーも仲良くさせていただいているので、ぜひ家族で観に行きたい」と期待を寄せました。
■ミュージカル『タイムトラベラーズ・ワイフ』
時間という抗えない運命に翻弄される人々の物語を描いたウエストエンドの人気作を、ウォーリー木下さんの演出により日本版として初上演。主演の岩本照さんは、「僕が演じるヘンリーは自分の意思とは関係なく時間を行き来する、抗えない運命を背負った主人公です。ある女性との出会いにより人生が変化し、時間に翻弄されながらも自分の人生をしっかり生きていく部分を表現していきたいと思っています。タイムトラベルする瞬間は劇場の装置を駆使して舞台ならではの演出になるのではないかと、僕も楽しみにしています」と作品を心待ちにする思いを明かしました。別作品でミュージカルに初挑戦となる岩田剛典さんは、岩本さんにミュージカルでの事前準備について質問。岩本さんは「ミュージカルは何カ月か続く作品が多く、ライブとは違い、消費カロリーがかなり激しい。なので体重が減らないように、体力作りと合わせながら、1日に食べる量や食べるものを計算して、摂取するものを考えています。僕は痩せやすい体質で、10kg前後痩せることもあるので」と、食事への配慮を教えてくれました。福田さんが「Snow Manのライブツアーは痩せないんですか?」と聞くと、「僕はそんなに痩せないです。メンバー9人でパフォーマンスする時と、ミュージカルで1人で全部やる時では変わってきますね」と岩本さん。
■『ノッキンオン・ロックドドア THE STAGE』
直木賞候補作家・青崎有吾さんによる人気小説の舞台化。堤幸彦さんがドラマ版に続き舞台版でも演出を務めます。「すごく圧の強い2人(上田竜也・川島如恵留)に来てもらったので、一旦ドラマでの考えを初期化しました。ストーリーとしてはドラマでやった部分もありはしますが、ど真ん中にすごいミステリーが控えていて、それ自体は舞台ではできないだろうと、そんな脚本をいただきました。この素晴らしい機構を利用して、あり得ない表現をしたいですね。河原さん、ステージをあまり汚さないで(笑)」と、トップバッターの演出家・河原さんにリクエスト。河原さんは「こけら落としを担当する機会はなかなかないので光栄ですが……そーっと使います」と苦笑い。そこに古田さんが「ここの床は剥がせるので、全部張り替えられるから」と援護射撃(?)。皆さん、新しい劇場を使うことの特別感、そして期待と緊張に胸を膨らませていました。
上田竜也さんはドラマで一緒だった堤さんの演出の魅力を「緊迫感あるミステリーの中にふんだんに込められた笑いです。一見ミスマッチですが、堤監督の演出によって素晴らしい作品に変わります。監督はずーっと笑いのことを考えていて、裏でもここでボケる?というところでボケていました」と、堤さんのキュートな一面を暴露。川島如恵留さんは上田さんとのダブル主演について、「竜兄とはここ3年ぐらい、毎年10月にお仕事させていただいています。この作品も10月上演ということで運命を感じています。何より、大好きな先輩と役では同い年になれる。同級生で同じ探偵として、2人で一つの事件を解決していきます。普段は先輩と後輩という関係ですが、ステージ上でどのように2人が同じ立場でいられるかが楽しみ」と抱負を語りました。2人と共演経験のある寺西さんは「観に行くのが楽しみです。圧の強いお2人にしばかれないように、なるべく楽屋は綺麗に使います(笑)」、それに対して、上田さんが「汚かったらカチコミに行くからね!」としっかり圧をかけて会場を笑わせました。
■ミュージカル『ミー&マイガール』
不朽の名作ミュージカルが待望の再演。演出を手掛ける小林香さんは「『ミー&マイガール』は約90年前、1937年という非常に鬱々とした時代に誕生しました。その中で庶民がものすごく逞しくて元気、エネルギーと笑いに溢れた舞台がロンドン・ウエストエンドでお客様の支持を得て今に至ると聞いております。こうした長い歴史のある作品を演出する際は、古き良き点を踏まえつつ、今なぜ私たちがこの作品をここで上演するのか、2026年における王道とは何だろう?としっかり考えたい。ピカピカの劇場の魅力と『ミー&マイガール』の90年にわたる魅力がEX THEATER ARIAKEだけで出会えることを光栄に感じながら作っていきたいです」と意気込みを話しました。
これまで数々のミュージカルスターが演じてきた主人公ビルを務めるのは三浦宏規さん。「唐沢寿明さんや井上芳雄さん、宝塚では天海祐希さんと、名だたる方々がやられた役で非常に緊張しています。サリー役の上白石萌音さんとは『千と千尋の神隠し』でご一緒しました。ちょうどロンドン公演の最中にこのお話が決まりまして。『ミー&マイガール』の舞台がロンドンで、ビルとサリーは下町ランベスの育ちなんです。僕たちが出演していた劇場からランベスが近かったので、行ってみよう!と2人で実際にランベスを歩きました。町を肌で感じた経験が説得力を持って活きるといいな、と思っています。またこの作品はタップが多いので、床を傷つけないように、裏ではすぐにタップシューズを脱ぐようにします(笑)」と、素敵なエピソードを披露してくださいました。
また大橋さんがミュージカル出演の際に押さえておくべき点のアドバイスを求めると、小林さんは「ミュージカルは歌と踊り、着替えも多く、時にはキスもしなければならない、とても忙しい表現です。思い切りやっていただくのが一番ですね」とエールを送りました。
■ミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』
日本で4度目の上演となる人気コメディ・ミュージカル。この作品が愛され続ける理由を問われて、演出の福田雄一さんは「愛されているんですかね?僕だけが愛しているのかも(笑)。僕の知る範囲ではミュージカル史上最もくだらないミュージカルであることは間違いない。この作品を作ったエリック・アイドルからは、日本のお客さんが大爆笑できるように台本を書き換えていいと言われています。僕個人の目標は、ミュージカルのフィールドで劇団☆新感線といかにくだらない笑いで戦うか。僕は20代の頃、新感線が東京に進出した一作目からずっと観てきました。新感線にくだらなさで対抗できるのは『SPAMALOT』しかありません。古田さんが僕の演出作で唯一観てくれたのが『SPAMALOT』。今回、僕の周りの笑いを作るのに最高のメンバーを集めています。新感線に負けないように、くだらない笑いを追求しようと思います」と、新感線愛に溢れる宣戦布告?それに対して古田さんが「観ましたけど、本当にくだらないですよ。どれくらいくだらないかを皆さんの目で確認してください」と応援の一言を送りました。
ミュージカル初出演かつ主演の岩田剛典さんは、この話は寝耳に水だったそう。「約2年前に福田さんから直接オファーをいただきました。ミュージカルに興味ある?とメッセージが来て、はい、ありますと答えたら、次に日程が送られてきました(笑)。やると決めたからには思いっ切り飛び込む気持ちでやらせていただきます」と覚悟のほどを語りました。2021年上演版でガラハッド卿を演じた三浦さんは、「僕、『SPAMALOT』の内容を全く覚えていないんです」と衝撃の発言。しかし「どれだけ突拍子のないことができるか。出たとこ勝負で、きっと楽しめると思います」と岩田さんにエールを送りました。
質疑応答では、記者から新劇場の印象を聞かれて、大橋さん「楽屋が真っ白でめっちゃ綺麗。また劇場内の壁がお洒落だと思っていたら、三角のパネルの角度によって声が聞こえやすくなっていると聞いて。勉強しながらこの劇場を楽しみたい」、寺西さん「楽屋が舞台袖に繋がっているのがありがたい」、古田さん「上にあるドラえもんの展示会に行くのが楽しみ」、福田さん「舞台から見ると客席全体が平らではなく、上にグッと上がっていく、この角度がついているのが嬉しいし安心しました」と、皆さんそれぞれのお気に入りポイントを見つけてくださったようでした。
また、オープニングイヤーにはこのほかにも上演作品の解禁が控えています。4月25日に開場するEX THEATER ARIAKEに是非、ご期待ください。